盆提灯の由来
お盆は先祖の霊、精霊を迎える仏事ですが、先祖の霊が戻ってくる目印となるのが燈籠です。
鎌倉時代に著された『明月記』という日記の1230年7月14日には精霊迎えの高燈籠が掲げられていたことが記されています。この高燈籠は屋根よりも遙かに高い竿の先に燈籠を掲げるものです。江戸時代には高たかどうろう燈籠がまるで星々のように江戸の街に掲げられました。
この高燈籠は盆提灯の元となったもので、門に飾る門提灯は高燈籠の流れを汲むものです。
現在では、部屋の中に飾る提灯として、吊すもの、床に置く製品、さらに一年を通して飾ることのできるインテリア性の高い製品などがあります。
盆提灯はいつ出して、いつ片付ける?
江戸時代にはお盆の月の初日から盆提灯を飾ったという記録もあり、7月盆の場合は7月1日、8月盆の場合には8月1日から飾ることができます。片付けるのはお盆の終わる16日以降になりますが、その月いっぱい飾ることもできます。
また、最近では通年でお飾りの可能な提灯も揃えておりますので、お問い合わせ下さい。
盆提灯は夜だけ点灯するの?
盆提灯は夜だけ灯すのが基本です。夕暮れから就寝時まで点灯するようにします。
寝る前に消しましょう。
初盆の方の盆提灯
初盆の方の盆提灯は、白い無地の製品、あるいは白地に家紋入の提灯など、シンプルなものが使われることが大半でした。
初盆の提灯は初盆の時のみのお飾りとなるために、最近では絵柄の入った盆提灯を初盆に用いることも増えてきました。
盆提灯は初盆をお迎えするご家庭に贈る習慣があり、ご親族でお話し合いの上で、複数の盆提灯を贈る場合もあります。
盆提灯は一対でお祀りするの?
必ずしも一対でお飾りする必要はありませんが、仏間をお持ちの方、広いスペースで盆提灯をお飾りされる方には一対でお飾りすることをお勧めします。
浄土真宗の盆提灯
浄土真宗の教義では、お盆の時にご先祖様が帰って来るという教義がなく、盆提灯には浄土真宗専用の切子燈籠が使われます。詳しくは菩提寺にお問い合わせ下さい。
父母を供養する日
お盆は元祖「父の日」「母の日」で、お盆の時に父母の孝養を尽くすことを「生御魂」と言います。お盆のお経である『盂蘭盆経』にはお盆の時、父母に飲食などを以て尽くすようにと書かれています。「生きておられる父母が百年もの寿命を持つように」と『盂蘭盆経』はお釈迦様の言葉を伝えます。文字通り、父母が病気もせずに長生きをするということです。
この「生御魂」はすでに室町時代から行われていた習慣です。