遺品の整理と形見分け
整理する時期・会社関係の遺品の整理
遺品を整理する時期としては、四十九日が過ぎ、事務的な手続きが落ち着いた頃がよいでしょう。故人の身の回りの物を整理し、処分することは辛いことですが、気持ちの区切りの上でも大切なことです。
また、故人が在職中だった場合は、職場に早めに整理に行く方が良いでしょう。書類やデータ・身分証明書・保険証・年金手帳、デスクやロッカーなどを整理し、鍵・社章などは早めに会社へ返却します。故人の持ち物などは、回りの社員の方に確認してから速やかに持ち帰るようにします。
不要になったものは処分しましょう
故人の愛用品は、整理し保存するものと処分するものに区別しましょう。不要な生活必需品や家具などは、各自治体の規定のゴミの処理日に出すか、業者に依頼して処分してもらいます。申請や料金がかかることもあります。事前に確認しておきましょう。
故人の手帳・手紙は残しておきましょう 帳簿など、記録書類は7年間保管します
日記や手帳、手紙等は後々必要になることも出てくるかも知れません。最低3年位は身内で保管しておくと良いでしょう。
自営業の場合は、過去の所得税などがかかってくることがありますので、帳簿・領収書・その他書類は7年間は保存しておくようにします。
形見分けは供養のひとつ
形見分けは、故人が愛用していた品や衣類など、親近者や親しい人に記念として受け取って頂く習慣です。故人の遺言がない場合は、遺族が贈る相手との間柄を考慮し、遺族や親しい人と相談して決めて良いでしょう。また目上の人や親しくなかった人にまで贈るのは失礼にあたるので、当人から申し出がない限り考慮します。壊れたり汚れたりしているものは控えます。受け取って貰えるか事前に確認します。高価なものは贈与税の対象になることもあるので注意が必要です。
形見分けはラッピングは不要です。故人のエピソードなどを一緒に伝え贈るとよいでしょう。趣味やコレクション等の品は研究機関や団体に寄付すると喜ばれるかも知れません。
保管しておく必要のある書類と保存期間
- 商業帳簿
- 青色申告関係帳簿、国税・地方税、医療費、水道料金、地代・家賃、月賦代金
- 賃金台帳、建築工事費
- 電気・ガス料金、授業料・稽古事の月謝、商品代金
- NHK受信料 = 次の集金日まで
- 国民年金 = 年金がおりるまで
- 生命保険 = 契約期間満了まで
財産の相続と名義変更について
次の場合は、名義変更をしましょう
電気、ガス、水道、電話、住居などが故人の名義になっている場合。
また、預貯金、有価証券などの動産の名義が故人のものとなっている場合。故人名義の不動産を相続する場合や事業を継承する際、代表者となったり、許認可を受ける場合も名義変更します。
名義変更に伴う必要書類
- 遺産分割協議書、又は相続人全員の同意書。
- 印鑑証明書、戸籍謄本、除籍謄本。
手続きにかかる税金や手数料の確認
- 不動産の所有権移転登録は、不動産評価額の登録免許税がつきます。尚、株式の名義書き換えにも手数料が必要となります。
- 自動車移転登録は、ディーラーに依頼すると数万円の費用がかかるのですが、陸運事務所の手数料そのものは少額です。
各手続きの専門家
わからない時は、専門家にご相談を
遺産の相続や名義変更の手続きは複雑でわかりにくく、トラブルも多くなりがちです。法律の知識が必要なときは、公共の相談機関や弁護士、司法書士、税理士など専門家に相談しましょう。
司法書士の仕事は・・・
- 相続に関する代行業務=遺言状の検認申立・相続放棄の申述・遺言執行者の専任申立等。
- 不動産登記に関する代行業務=遺産分割協議書の作成・所有権、その他の権利の相続登記。
- 会社・法人登記に関する代行業務=株式の相続や役員の変更登記。
税理士の仕事は・・・
税理士は死亡時財産の評価、確定を行ってくれます。遺産が分割された後、各相続人の相続税を割り出し、準確定申告や相続税の申告手続きを代行してくれます。
葬儀後の諸手続き一覧表
※お手続きは地域によって異なる場合がございますので、各窓口でお問い合わせ下さい。
※年金をすでに受給している方がお亡くなりになった場合、速やかに届けを出さないと、死亡後にも年金が振り込まれ、後日過払いとして返納しなければならなくなるので注意してください。